捕らわれの女

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真っ白な空間へと移動した。 「久しぶりだね、刀麻。ずいぶんと手こずっているじゃないか」 透明感のある声がした。 真っ赤な細長い椅子の座る白髪の人物がいる。 白い和装で、肌まで白くて、目の色だけ赤い。 「ゼーノ様、僕は、僕の作った世界に疲れました」 「そのようだね」 「すべて壊してもかまいせんか?」 「できないくせに」 「え?」 「君は人魔物も愛しすぎた」 「もう、どうすればいいのか......」
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