官能小説の書き方 その一〜きっかけと官能作家デビュー

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 数年前、まだ小説を書き始めたばかりの頃に、私の作品を読んだある方から「村上春樹の真似だよね」と指摘された。その当時の私は村上作品の大ファンだったので、真似をしている意識はなかったが、そうはっきり指摘されてしまうと、そうかもしれないと思った。否定できなかった。  情感や描写力、文章力を高めるには、さらに誰かの真似ではない自分の文章を書く、書けるようになるためにはどうすればよいか?考えて迷ったあげく、たどり着いた答えが官能小説だった。  文章だけで想像させる、妄想させて興奮させて、作品を読んだだけで、男性ならば「抜ける」女性なら「濡れる」それが官能小説である。そんな官能小説を書けるようになれば、私はきっと、素のドライな文章もしっとり濡れたものになるはずだ。  しかし、官能小説などんなものなのかわかっていても、これがいざ書いてみると難しい。初めて挑戦したときはまったく書けなかった。
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