官能小説の書き方 その一〜きっかけと官能作家デビュー

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 …部屋に入ってドアを閉めて、そこで彼が彼女の肩を抱いてキスをする。彼女の服を脱がせてから…シャワーが先か?それとも彼女はここで彼に押し倒される?ベッドはどっちだ?もっと部屋の奥だよね。今は二人とも部屋の入り口にいるから、すぐに彼は押し倒せない。ベッドの位置までどうやって移動するかな。抱き合ったまま?キスしているシーンからどう繋げるか?描写がめんどくさいから省いたら楽だけど、ねっとりじっくり描かないと官能シーンにならないし。だいたいどんな風に抱き合っているんだろう。彼は彼女の腰を抱いているのか、それとも背中に腕を回してきつく抱きしめているのか、それとも肩を?そのとき彼女はどうしているのかな。彼女の腕は頭はどうなっている?髪は崩れているのか?表情は?なにを感じている?彼の体温とか、くっついているんだから匂いも。汗とかタバコの匂いとかも。こうやってこうなって、普通、キスする時はこんな感じで…あれ?あれれ…?  という風に、頭の中で描いたシーンを、悩んだ私はぶつぶつ言いながら一人で抱き合う動作を再現してみたり。側から見たら変な危ない人に見えたはずだ。
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