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「高校の時の同級生の雪葉を好きになった。」
遊馬くんの事を。
「そっか.....。」
目元を隠したら青衣が私の手を退かして
「ごめん。あたしバイだけど男の方が好き」
「ストレート寄りだったんだ。」
としか言えなくて黙り込むと
「そろっと帰ろう。」と青衣が優しく言う。
「うん......。」
青衣が、私と歩幅を合わせて歩きながら一瞬ちらっと私を見てすぐに前を向く。
※そろっと......新潟県の方言。
駐車場に着くと、彼女が淡いグリーンの乗用車の鍵のロックを解除して助手席のドアを開ける。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
戸惑いながら助手席に乗った途端、
青衣が私を自分の方に抱き寄せる。
「!青衣......。」
彼女に結構長く抱きしめられてる。
青衣、遊馬君の事が好きなのに。
「夕茜ごめん。帰ろう」
「うん。」
窓の外を見ると、駐まっていた車が居ない。
空も、オレンジから幻想的な青へと変わってく。
フラれてから抱きしめられたのが複雑。
そう考え込んでたら青衣が車を発進させる。
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