第1話 茜色

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アパートに着いて青衣を見つめる。 「ありがとう。」 「どういたしまして。」 車から降りようとしたら青衣が私の手を握り 唇にキスをしてくる。 「っ!」 「夕茜とは今日で最後だから。」 青衣、私の事好きでもないのに。 という言葉を飲み込んで。 「うん。最後.....青衣、今までありがとう」 青いが涙目で私を見つめる。 頷いたのを見て助手席から降り、 ドアを閉める。 「......っ。」 2階の真ん中の部屋に着き、鍵を開け 玄関の電気を点けて消し、リビングの床に座った瞬間脱力する。 青衣に振られた瞬間を思い出して涙が星屑のように溢れてくる。 青衣の存在が大きかった。 彼女とは1歳の頃からの幼馴染で、付き合い始めた時の事も思い出して尚更涙が止まらない。 部屋の中で泣いてたら外が真っ暗になってるのに気づいてゆっくりと立ち上がり、キッチンへ向かう。 焼きそばを作り、ボーッとしながら食べてると メタリックブルーのスマホが鳴る。 電話? !日凪から? 「もしもし。日凪久しぶり、どうしたの?」 [いや、夕茜と話したいなって。 16日暇?」 いきなりどうしたんだろう。 日凪とは半年会ってなかった。 「うん。16日暇」 [一緒にご飯でも食べに行かない?] 一緒にご飯。 「一緒に食べに行こう。」 [やった!何時にどこで待ち合わせする?] 「12時に駅前の本屋さんの前で待ち合わせする?」 [うん。12時に駅前の本屋さんで待ち合わせしよう......夕茜、何か辛い事とかあったら甘えて」 「うん。え.....?ありがとう、おやすみ」 [おやすみ。] 安心する。 電話のあとお風呂に入り、 日凪と土曜日の事を考えながら目を閉じる。
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