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土曜日。
待ち合わせ場所の書店の前まで歩いてくと日凪が立っている。
「夕茜久しぶり!」
「久しぶり。」
南谷日凪
1歳の頃からの幼馴染。
オレンジがかった茶髪のふわふわのショート、茶色の瞳。
162㎝。
可愛い顔立ちをしている。
セクマイの間で有名。
尻尾を振って喜ぶわんちゃんに見え、思わず日凪の頭を撫でると顔が赤くなる。
「わっ。夕茜、恥ずかしいからやめて」
「ごめん。」
「大丈夫だよ。嫌ってわけじゃないからね! 」
「うん。」
「お昼何処で食べる?」
高校生の頃、日凪と2人で食べに行っていた
オムライスの専門店を思い出す。
「Rainbow tearとか.....日凪は?」
「Rainbow tearにしよう。」
「うん。」
駅前の書店から3件隣のRainbow tearに入って
店内を見る。
レトロな内装から白と緑を基調とした爽やかな内装に変わってる。
「いらっしゃいませ。2名様でしょうか」
黒髪のショートボブの中性的な顔立ちで20代前半くらいの女性の店員さん。
『はい。』
「席にご案内いたします。」
窓際の街並みがよく見える個室。
「夕茜とこうしてまた一緒にRainbow tearに来れて嬉しい。」
可愛い表情と言動。
青衣と別れたばかりだから日凪に恋愛感情を抱いてるわけじゃない。
「私も日凪と久々に来れた事が嬉しい。」
顔が熱くなってきた。
さっきの黒髪のショートボブの店員さんが
おしぼりとお冷を持ってくる。
「失礼いたします。こちら、お冷とおしぼりでございます」
『ありがとうございます。』
「お決まりになりましたらそちらのボタンでお呼びくださいませ。」
『はい。』
日凪と店員さんが見つめ合ってる。
面白くない。
「失礼いたします。」
「月舞、あとで連絡してもいい?」
「いいよ。」
淡い月のような"月舞“さんがふわっと微笑む。
「ありがとう。月舞、仕事中に声掛けてごめんね」
「気にしないで。」
「うん......。」
彼女と月舞さんってどんな関係なんだろう。
メニュー表を見てたら日凪と目が合った。
「夕茜、月舞と私の事で何か引っ掛かってる?」
「引っ掛かってない。」
「そっか......。」
「うん。」
デミグラスソースオムライスとアップルジュースにしよう。
日凪も決まり、彼女が確認してボタンを鳴らしたら同じ店員さんが来てデミグラスソースオムライスとアップルジュース、ほうれん草と舞茸のオムライス、レモンティーを注文する。
「夕茜、今日何時くらいまで大丈夫?」
「17時まで大丈夫。日凪は何時まで大丈夫?」
「.....明日まで大丈夫だよ。」
「日凪は明日仕事?」
「休みだよ。夕茜は明日仕事なの?」
「明日休み。私ん家に泊まってく?」
いや、何で日凪を誘うの?
「いいの?」
彼女の頬が桜色に染まる。
「いいよ。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
「夕茜の事放っておけない。」
「え?」
注文してたオムライスのセットやきのこのオムライス、レモンティー、アップルジュースが来た。
「お待たせいたしました。ほうれん草と舞茸のオムライスとレモンティーのお客様」
「ありがとうございます。」
「デミグラスソースオムライスとアップルジュースのお客様。」
「ありがとうございます。」
「以上でお揃いでしょうか?」
『はい。』
「ごゆっくりどうぞ。」
日凪と月舞さんがまた見つめ合った。
店員さんが離れて厨房の近くへ歩いてく。
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