第2話 白い月

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日凪(ひな)side 夕茜(ゆあ)がアルバムを手に戻ってきたのを見た途端、目が合い彼女の顔が赤くなる。 何で目が合った瞬間に夕茜は赤面したんだろう?と疑問が湧く。 考え込んでいると 「日凪どうしたの?」 気付いたら夕茜が座ってる。 「えっと、何でもないよ。」 彼女が「心配。」と言いながら眉尻を下げたのを見て、耳を垂れさせシュンとしてるワンちゃんに見えてキュンとする。 「だ、大丈夫だよ。」 「良かった。」 夕茜の頭の上に手を伸ばしそうになり手を引っ込める。 彼女がアルバムを開いて保育園の頃の写真を一緒に眺め始めると、青衣(あおい)夕茜と私の3人が写ってる写真が目に入る。 青衣に抱きついてる夕茜と彼女に照れてる青衣、それと夕茜にくっついてる私。 「青衣......。」 「ゆ、夕茜。」 まずいと思い、保育園時代の写真のページから慌てながら捲る。 「夕茜、高1の体育祭の時の写.....!」 夕茜を元気付けようとして言いかけながら絶句する。 この写真! 私がリレーのアンカーで走ってる時、青衣と夕茜が応援席で手を繋いでる写真!! 確か、小1の頃からの幼馴染の柚菜が撮った。 夕茜と青衣は同級生達公認の仲だった。 一部の同級生達は"日凪と夕茜のコンビが好き!“って言ってる子達も居たけど。
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