第2話 白い月

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夕茜が元気無い。 アルバムを閉じようとしたら彼女の両手と私の手が重なる。 顔が火照ってる。 「日凪元気無い......。青衣と私が一緒に写ってる写真を見てから」 「そんな事無いよ。」と返すと、夕茜がさらにぎゅっと握ってくる。 「本当?」 両手を離し、私を抱きしめてくる夕茜。 「うん。ゆ、夕茜、大丈夫だから」 部屋の窓に淡い青と繊月。 「夕茜。」と声を掛けたら彼女が離れた。 「日凪、急にごめん。」 「ううん。」 「夕食作る。」 「うん。」 夕茜に抱きしめられるなんて。 アルバムを見て高1の頃に青衣と夕茜が夏に付き合い始めたのを思い出す。 大切な幼馴染だからと夕茜への気持ちを隠し、 社会人になってからも相談に乗っていた。 泣き顔の彼女を抱きしめては、夕茜の恋人になりたいと思って泣いてた。 彼女の事が気になってチラ見すると、 楽しそうにキーマカレーを作っている。 良い香り。 夕茜の料理を作ってる表情にもときめく。 いい加減、夕茜への気持ちに決着を着けないと。 いつの間にかキーマカレーが出来てたらしく。 「日凪、出来た。」 彼女に話しかけられてはっとする。
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