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④エブリスタについて
●アズマ:最終回は、「エブリスタ」についてインタビューしていきます。なぜエブリスタで活動を始めようと思いましたか? 他のサイトでも活動したことはありますか?
◯乃上さん:コロナ禍の自粛期間、久しぶりに長編小説を書きました。
それまで小説は公募に出すのでもなければ、一人で書いて読んで自己満足するものだと思っていました。
身近な友人に、ほかの趣味のように、「小説を書くのが趣味です」とはなかなか言えません。読んでと言われないかと相手も反応に困るだろうなと……。
そんな中、「今は無料の投稿サイトがあるよ」と言われて興味を持ったのがきっかけです。
エブリスタともう一つ、もっと文芸寄りのサイトにも出したのですが、そちらは読まれている実感がなく、また二つのサイトに投稿するのは結構手間だったので止めてしまい、エブリスタだけになりました。
●アズマ:エブリスタの良さは何だと思いますか?
◯乃上さん:私にとっては、エブリスタを通して小説を書く人、読む人と交流できるのが最大の魅力です。
「ここがいい。あそこがすごい」って語り合えるのは楽しいし、流行りのジャンルではなくても必ず読んでくださる方がいるのが嬉しいです。
もちろん、時にはトラブルや嫌なことを経験するかもしれないけれど、でもDMもオープンなのがエブリスタのいいところだと思います。それである程度トラブルを回避できますものね。
それから自分のペースで活動できるというのもいいです。居心地がいいです。
コンテストに出すのも良し、好きな世界を書いて共感してくれる人と交流するのも良し、仕事があっても、学生でも、あるいは主婦でも、自分の好きなように活動できるのがいいです。
忙しい時は低浮上でも、また落ち着いたら浮上すればいいのですから。
●アズマ:私も、作家の交流が活発なところがエブリスタの良いところだと思います。私は色んな投稿サイトを利用しましたが、結局はエブリスタが居心地良くて、ここに落ち着きました。
乃上さんがエブリスタの活動を続けてきた中で、他の作家さんとの忘れられないやり取り、もしくはあのやり取りがあったから今の自分がいる、という経験はありますか?
◯乃上さり:実は最初はあまり交流をするつもりはなかったんです。
というのも、実名でやっているSNSが義理っぽいお付き合いも含まれるようになって疲れていたので、SNSはもういいかなと……。
でも、エブリスタで素敵な作品に出会うと、一言コメントを入れたくなってしまうし、感想をいただくと嬉しくてお礼を言いたくなる。で、いつの間にかどっぷり(笑)
エブリスタは匿名で、ただ好きな小説を通して繋がっていられる関係です。それぞれのペースで節度を持ってお付き合いできるのがいいと今では思っています。
●アズマ:エブリスタの作家さんはみんな良い人だから、交流も楽しいですよね。執筆の話なんてリアルではほとんどできないですから、実際には会えなくても、とても充実したものになっているのかなと思います。
◯乃上さり:忘れられないやり取りといえばすべてがそうなんでしょうが……。
ある方の作品が好きでフォローさせてもらった時に、「ホラーは苦手で読めないかも。ごめんなさい」と最初に挨拶いただき、それは当然だし構わないと思っていました。
それでも少しずつ読んでくださるようになって、「乃上さんの作品でホラー読めるようになりました。怖いだけで終わらないのがいいです」というようなことを言っていただけた時はとても嬉しかったです。
私自身も、最近は読んでいなかったジャンルを、フォロー繋がりで読んで楽しめているのもいいです。
その結果、自分もいつかこのジャンル書いてみたいと、やる気になったりします。
エブリスタは目の肥えた方が多いので、そんな読み手を意識して書くというのも自分にプラスになっています。
伏線を張って、違和感だけで気付かれないままラストで回収できた時は喜びを感じますし、「やっぱり」とペコメにあると、“あ、バレてたか”と(笑)
読んでくださる方の中にも、書いている方と読むの専門の方がいらっしゃいますが、書いている方からの同じ書き手としての感想やコメントは刺激になるし、次に生かそうと思います。
また、読み専さんから感想をいただくと、ありがたくて書き手冥利に尽きる思いです。
●アズマ:エブリスタは読み手も書き手もレベルが高いですよね。ちなみに私もファンタジー小説はここに来てから読むようになりました。
それでは最後の質問です。乃上さんは、エブリスタが今後どうなってほしいですか?
◯乃上さん:小説を誰かに読んでもらいたい人。作家デビューや書籍化を目指す人、コミカライズを目指す人。そして小説を読んで楽しみたい人。誰もが快適に過ごせる場所であって欲しいです。
最近、書籍化のコンテストが減っていますよね。そしてエブリスタで力のある書き手の方が他のサイトから書籍化されているのを知ると、実力のある方たちがエブリスタにいるのにもったいないなと思います。
出版業界は今、とても厳しいとは思いますが、書籍化コンテストが増えてくれたらと思います。もちろん、コミカライズのコンテストもです。
また妄想コンテストも続いて欲しいです。妄想コンテストは受賞すれば河出書房新社の五分シリーズに収録されるチャンスがあります。児童書として作品が若い方達の元に届くというのは、とても夢があることですから。
一方で、趣味として楽しみたい、ただ書きたい、そしてただ読んでいたいという方にとっても、居心地の良い場所であって欲しいです。
今の私は妄想コンで注目していただいきこのように対談をさせてもらえて、とても運がいいと思うのですが、結果が出なくなってもエブリスタの片隅に居場所はきっとあると思っています。
そこで好きなものを書き続けて、「へえ。あの人、まだ書いてるんだ。頑張るなあ」って思ってもらえたら嬉しいです。
●アズマ:私も同じ気持ちです。まさに、みんながスター、となる小説投稿サイトであってほしいです。
これにて対談は終わりになります。乃上さん、ありがとうございました!
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