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Kにライターを借りて、不慣れな手付きで巻きタバコに火を付けた。
タバコは辛いと父は言っていた為、それなりの覚悟で吸い込む。
が、口には甘い香りが広がり拍子抜けした。
更に体がふわふわし始め、今までに感じた事もない様な楽しい気分になる。
(後にこれが大麻だという事を知った)
Kの言う通り、確かに今なら勝てそうだ。
どこからかそんな自信が湧いてくる。
残りの金を全て注ぎ込む。
今度こそ負けない!!
瞬きも忘れるほど、僕はじっと自分の手札を見つめた。
そして内心でガッツポーズをする。
勝てる!!
今度こそ大金を!!!
僕の期待は裏切られなかった。
金は倍となって返ってきた。
金は手に入るし僕の才能も証明された。
笑いが止まらないとはこの事である。
「な?良いもんだろ?」
タイミングを見計らってKは僕に話しかけた。
「ああ!!最高だ!!」
僕も満面の笑みでKに答えた。
そして運勢はここで尽きる事もなく、僕は有終の美を飾った。
ポケットの中に入っている金の重さを感じながら、僕は昨日と真逆の気持ちで帰路についた。
「賭博ってこんなにも楽しい物だったんだな」
「分かってくれて良かったぜ」
Kは軽く僕の肩を叩いた。
「なあ、明日も参加して良いか?」
「もちろんだ!!てかあんなに悔しがる兄ちゃんの姿、初めて見たぜ。今頃お前を加えたのを後悔しているんだろうな?また見たいもんだ。という訳で、頼んだぞ」
Kは意地悪そうに笑った。
「任せとけ」
すっかり有頂天になった僕はKに誓う。
そして明日の集合時間だけ決め、その日は別れた。
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