守ってあげたい!

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メイド隊は再びテントから出て避難所に向かう。 するとすると中はいつにもなく陰気だった。 そしてそして助けに来てくれるはずの自衛隊員も現れない。 「どうなってるの?」 とスイーツ隊員達。 子供達が嗚咽をあげて泣いていた。 「どうしたのどうしたの?」 ニコニコが聞く。 「ミルカお姉ちゃんが拐われちゃったの」 「なんですって!?」 ニコニコは一人自衛隊員のいるテントに向かう。 警備係がいたが(うつろ)な表情をした下等隊員だった。 その隊員はニコニコが来るやいなや起立した。 「空路2士でありますぅ。どうしましたかぁ?」 姿勢がおかしいし手の位置もなってない。 因みに2士とは自衛隊の階級の中で一番下で、自衛官候補生を暫く耐えてなれる階級だ。 とは言え彼もまた、あまり士気の無い隊員の一人だった。 ニコニコは注意した。 「敬礼はこうしてこうよ!」 「はぁい、丁寧な指導感謝でありますぅ」 空路はもう一度敬礼する。 「そんな事はどうでも良いわ。貴方だけなの?」 「そうでありますがぁ…」 空路は頭からハテナマークを浮かべ間延びした口調で答えた。 (見ててイライラするわねこの隊員ナリ坊みたい…) とニコニコは思った。 「ところでぇ、どうしたんですかぁ?」 ともう一度空路2士が聞く。 「ミルカがいないのよ貴方は知らない?」 「ミルカって山本二尉ですかぁ、彼女は行方不明で他の隊員が探しにいって自分は警備を任されましたぁ」 「そう、ありがとう」 ニコニコは踵を返した。 そして心の中で思った。 (あんなのを警備に就かせて大丈夫かしら?物を盗られたりするんじゃないでしょうね)と。
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