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気がつけば日は落ちていたが、雨が止む気配は一切ない。 傘もささずに制服で通りを歩いていた悠人は、適当に近くの路地に入り座り込んだ。 髪も制服も全部濡れ、惨めな姿だった。 そんな時に声をかけてきたのが蒼夜だった。 「君、どうしたの?」 「…え…」 そんなふうに誰かに声をかけられたことが予想外で、座っていた悠人は彼を見上げた。 30歳くらいだろうか、色白で綺麗な男の人である。彼はさりげなく、さしていた傘の先に悠人を入れてくれた。 「なんでもないです…」 悠人が俯くと、男も並んで横に座り込んだ。驚いて見ると、男の目は悪戯っぽく悠人を見つめていた。 「絶望した顔してる」 「……」 返す言葉がないまま呆然としていると、男の手が悠人の手に触れた。
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