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「丁寧にありがとう。僕は鈴木彰広」
「彰広さん。今日はゆっくりしていってくださいね」
悠人は再度笑顔を向けると、カウンターへと戻った。
話し過ぎてしまったことを少し後悔し、蒼夜が淹れているコーヒーの香りで気持ちを鎮める。
暫く経った後、悠人は出来上がったコーヒーを手に彰広のもとへ歩いた。
「お待たせしました、コーヒーです」
マグカップを静かに置くと、彰広は悠人をじっと見た。
「悠人くんは何歳?」
「え?」
予想もしない質問に、悠人は反射的に答えていた。
「20歳です」
彰広が黙って俯く。
不審に思いながら立ち去ろうとすると、「悠人くん」と呼び止められた。
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