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自分でご飯をよそい、席に着く。
「おまたせー」
少しして母が、目の前にあつあつのロールキャベツを置いてくれた。
トマトで煮込んだロールキャベツにチーズをかけて焼いたのは私の大好物だ。
「それでお父さん、さっきの話の続きだけどさ」
「お前、こんな大事な話を食べながら……」
声をかけるとリビングでタブレットを睨んでいた父は渋い顔になった。
「こんな話だからごはん食べながらでもないと聞けないって」
「はぁーっ」
大きなため息をついてかけていた老眼鏡を外してテーブルの上に置き、父はダイニングにいる私の前に座った。
「TAIGAを経営している倉森さんから、うちに話がきたんだ。
お宅のお嬢さんを嫁に迎えたい、話を呑んでくれるなら会社を立て直すだけの融資を約束する、とな」
立て直しが交換条件なのは予想どおりだった。
しかし、私ごときを嫁にもらいたいなどやはり理解できない。
「でも、なんで私なの?
悪いけどうちごときと倉森家では釣りあわない」
「それは……。
うちが元、財閥家だからだそうだ」
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