4人が本棚に入れています
本棚に追加
その次の朝はもう、ばあさんとあたし、競うようにアサガオのところへ駆けつけた。
案の定、布団たたきは巻き終わり、余ったツルは今度はクイイッと右を指している。
――右向け、右?
「こんなこともあろうかと、ほれ」
ばあさんが差し出したのは、モップの柄だった。
あてがってみれば、アサガオは一瞬でひゅるひゅるとモップに巻きついた。
あたしとばあさんは、思わず手を取ってキャッキャと跳ねてしまった。
その様子が不気味だったのか、通りがかったオッサンがギョッとして振り返った。
サラリーマン風だけどなぜかちょっと背広がよれて、なでつけてある髪もややほつれ、若干ひげがぽつぽつ……何かやつれてる?
それに、サラリーマンにしては、何かが足りない気がする……。
最初のコメントを投稿しよう!