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 再び届いた手紙。しかも、今回は下駄箱では無く恵那の自宅ポストに直接投函されていた。 「……この町の人間ならお前の自宅を知ってるのも仕方ねぇけど、わざわざ家のポストに入れるとかふざけた野郎だな。まあとにかく、お前は何も心配すんな。俺らプリュ・フォールが守ってやるから」 「……うん」  手紙が届いた事を斗和に話した恵那は、守ってやると言われて嬉しい反面、このままで良いのかと密かに悩んでいた。  今回の手紙には、【この町から出て行け】と書かれていたのだけど、実はその手紙の他にも一枚紙が同封されていて、そちらには【そうしないと江橋斗和が不幸な目に遭う】と記されていた。  その内容を知れば、斗和は危険を顧みずに無茶をするだろう事が容易に想像出来る。  自分のせいで斗和が怪我をしたり、何か危険があったら嫌だった恵那は、その紙を見せる事は無かった。 (やっぱり、町から出て行った方が、いいのかな……)  恵那から笑顔が消え、俯いて何か思い詰めているのを見ていた斗和は、 「……お前、また何か隠してるか、変な事考えてんだろ?」  恵那の両頬に手を置いて無理矢理顔を上げさせた。 「べ、別に、そんな事……」 「嘘つくなよ。お前が嘘つく時ってすぐ視線外すんだよ。俺、言ったよな? 何でも話せって」 「…………」 「それとも何か? 俺じゃ頼りねぇってか?」 「違うっ! そんな事――」 「だったら、不安に思う事は全て話せよ」  そこまで言われてしまうと、いつまでも隠している訳にはいかないと恵那は観念したように斗和の両手が離れていくタイミングで口を開く。 「……本当は、手紙、もう一通あるの」 「見せてみろ」  無言で隠していたもう一通をポケットから取り出した恵那が斗和に手渡すと、それを険しい表情で読んでいく。 「くだらねぇ。こんなん気にしてたら相手の思う壷だ。とにかく、俺に考えがあるから、お前は何もするな。いいな?」  紙を見た斗和はくだらないと一喝し、更には何やら考えがあるらしく、恵那にとっては切羽詰まった状況なのに、彼女とは正反対に自信に満ち溢れた表情を浮かべていた。
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