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「お前ら不良が、俺に何の用だよ? こんな脅迫紛いの事して呼び出して、俺が誰だか分かってやってんだよな? 町に居られなくしてやるぞ!?」  斗和と共に恵那がやって来たのは学校の視聴覚室。  そこには忍を始めとするプリュ・フォールのメンバーが多数と柊木の姿があった。  斗和や恵那が室内に入ってドアを閉めるや否や、柊木が一枚の紙を見せびらかすように広げながら抗議する所を見ると、どうやら彼は何らかの理由で呼び出されたらしい。 「それはお互い様だろ? テメェだって、恵那に脅迫紛いの手紙を出しただろーが」  斗和のその台詞と気迫に、柊木は焦りの色を浮かべながら視線を外す。 「な、何の事だか……」 「もう全て分かってんだよ。テメェが手紙の送り主な事、星矢たちの襲撃に忍の轢き逃げ、それから、恵那(こいつ)のファンだって事もな」  しらばっくれようとした柊木だが、全て知られていると分かると、 「……そうかよ。それで、何なんだよ? 訴えるとか言うのか? 悪いがそういうのは無駄だぜ? 親父に頼めば全て揉み消してくれるからなぁ」  町長である父親の存在をチラつかせながら、急に強気な態度を取り出した。 「下衆が。別に訴えたりしねぇよ。んな事しても意味ねぇって知ってるし。まず、何でこんな事をしたのか言えよ」 「お前にそんな事を答える義理は無いな」 「テメェ、人が下手に出てりゃ付け上がりやがって! ふざけた態度取ってると外歩けねぇくらいの顔にするぞ!?」 「やれるもんならやってみな! お前こそ、この町に居られなくなるぞ!? お前のじいさん共々な!」  売り言葉に買い言葉、今にも殴りかかりそうになる斗和を前にした恵那は、 「斗和、止めて! お願い、私に話をさせて」  そう言いながら斗和よりも一歩前に出て柊木と向かい合う形を取った。
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