トマトに戸惑う

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機械が作動しないまま数十秒が経過した。 「なにコイツ!」 林博士は美脚を自慢するかのようなタイトのミニスカートに黒の ストッキングを履いていた。 その長い足の片方を横に振って動かない機械を蹴った。 ボンッ......!! という音と共に、機械から白い煙が沸き出た。 集まっていた研究所員たちが咳き込んだ。 次の瞬間......。 「ピーマン!」 「ニンジン!」 「バナナ!」 「辛いもの全般!」 「温めてないコンビニ弁当!」 「お母さんの作る梅酒!」 誰もが意味不明な単語を連呼するようになった。 「なに?みんな、どうしたの?」 僕が聞いても同じ単語して発しない。 「林博士、これはなんですか?」 「ぬるくなったコーヒー!」 「林博士まで!」 林博士が白衣のポケットからスマホを取り出し、打ち込み始めた。 〚 嫌いなものを口にしてる!〛 と、スマホのメモ画面には書き込まれていた。
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