2,《新しい世界》

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2,《新しい世界》

 翌日私は、チェックアウトを済まし、ギンを連れて外に出た。そこから、昨日見れなかったところを見ようと、街を散策することにした。街を散策していると怪しげな、トンネルがあり通ってみたくなった。しかし、ある男のせいでそれができなくなった。 「そこは通っちゃ駄目だよ。」 「・・・はーい。」 「異世界に飛ばされれてしまうからね。」 「はい。」 そう言って、男は去っていった。 「どうする?入る?」 そうギンは私に訪ねた。 「入ってみよう。」 「・・・わかった。」 そして入った世界は全く別のものだった。皆が魔女や、魔法使いで、人間でなかったギンも人間となり、魔法も使えるようになっていた。 「悪い魔法使いだと言われているのはこの中の世界なのかもね。」 言われてみればそうだ。私のことをジロジロと見ている。でも私は気にしなかった。だって私にはギンがいるから。ギンがいなかったら私は死んでいただろう。 「さ、行こっか。」 そう言われ、ギンについていくようにして歩いていった。  ・・・しばらく歩いただろうか。目の前に大きな城が出てきた。  なんだか懐かしい感じがした。 「なんだか懐かしい感じがする・・・」 そうギンは言った。わたしたちはここに来たことがあるのだろうか。そう思って、私は城の門の前に立った。立つとメイドと思われる人が出てきた。 「なにか御用でしょうか?」 「はい。」 「名前は・・・」 「桜山心葉です。」 「もしかして・・・、ここの国の女王、王様の子供ではありませんか?」 「わかりません。」 「そうですね・・・特徴がわからなければなりませんか・・・。子供は生みましたが、3歳のときに人間界においてきています。それが決まりですから。そして、おいてきた子は女の子で、魔女です。そして、孤狼を連れていましたが、逃げられています。でも、戻ってきたようですね。あなたを見ると。」 「・・・ということは、私はここで生まれたってことですか?捨てられたと思っていましたが・・・。」 「それが決まりだったんです。今年から変わりましたが。」 「そうだったんですね。」 「では、どうぞ。お城の中へ。」 そう言われ、中に入っていった。 「ただいま帰りました。母上。」 「おかえりなさい。心葉。結、この娘の部屋へ連れて行ってあげなさい。そしてそこの、心葉がギンと呼んでいる孤狼も。」 「もう孤狼ではありません。」 「ふふ。そうね。大人になったら孤狼から人間になれるものね。」 そう言って、母上は笑った。 「さあ行きましょう。」 階段を使って、2階へ上がり部屋に入ると、豪華な部屋だった。ここだったら、悪い思いをしなさそう。ギンは隣の部屋だから・・・。何も気にしなくて良さそうね。 「私のことは結と呼んでください。荷物が整いましたら食事ですので。終わったら下に降りてきてくださいね。」 「はい。わかりました。」 そういう話をして、結はドアを丁寧に閉め下へと降りていった。 「よし。これはここ。これはここ・・・と。」 片付け終わると、言われた通りに下へと降りた。しかし、ご飯を食べる場所がわからない。困っていると、すぐに結が駆けつけてくれた。 「もう片付け終わったんですか。早いですね。では、行きましょうか。」 結についていくと、ダイニングルームに着いた。 「はい着きました。ここが食堂です。明日からは一人で来れるようにしてくださいね。・・・と言ってっ無理だと思いますが。何と言っても広すぎるので。」 結はそのまま、下がった。 「さあ、席につきなさい心葉。」 その場に突っ立ってぼーっとしている私にそう声をかけた。 「はい。」 「楽しみなさい。」 食卓を皆で囲むことさえ初めてだった私は、緊張した。  その日は楽しく終わった・・・はずだった。私はその夜、首を絞められ殺されそうになった。しかし、それは誰かによって止められ私は、殺されずにすんだ。そのまま私は眠りに落ちていった。
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