第1章 罪

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連絡を完全に経ってから半年以上が経過した今は両親からの連絡の頻度も少なくなってしまった。 このまま愛想を尽かされて勘当されるのではないかと一抹の不安を感じたりもしていたが、それ以上に不安に駆られる重大な問題を大貴が背負っているなんてことは両親は知る由もない。 早番の従業員と交代する形で退勤した大貴は徒歩で自宅アパートに帰る。 木造2階建ての築30年ほどの古いアパートで、お世辞でも綺麗とは言えない外観だが駅、コンビニも近く、大学へも徒歩で通える距離の立地に惹かれてこのアパートに決めた。 錆び付いた鍵を鍵穴に挿し込み玄関の扉を開けると、8畳ほどの広さのワンルームの部屋で、黒ずんだフローリングの床には布団が乱雑に畳まれていて、数日分の弁当の空き箱がごみ袋に包まれた状態で無造作に置かれ、その隣には小さいテレビが直接床に置かれている。 簡素な部屋…いや、質素な部屋と表現したほうが正しいだろう。 テーブルや椅子もなく床に直接座ってコンビニから持ち帰った廃棄弁当を食べ始める。 ~~♪ 食べ進めていると、床に置いてあった携帯の着信音が部屋に鳴り響く。 携帯の液晶画面に目をやると''片桐陵''という名が表示されていて、大貴の心に緊張が走る。こんな早朝から何の用だと一瞬戸惑いながらも電話を取る。
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