第1章 罪

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大貴「もしもし…?」 陵「大貴か?久しぶりだな」 大貴「ああ…久しぶり…。どうしたこんな朝早くに…何かあったのか…?」 陵「いや、特になにもないよ。ちょうどお前がバイト終わった頃かなって思って電話したんだよ。今日の夜さ、酒でも飲みに行かないか?」 陵からの突然の誘いに一瞬言葉が詰まってしまう。 大貴「ああ……別にいいけど…」 陵「最近2人で会ってゆっくり話す機会も無かっただろ。久しぶりにさ、ゆっくり飲もうぜ」 大貴「分かった…」 陵「じゃあ夕方に駅前で合流な。それじゃ…」 そう言うと陵は間を置かずに電話を切った。 この片桐陵という男は高校時代の同級生で、 双方確認するまでもなく親友だと言える間柄だった。 陵は高校を卒業後に大手メーカーの工場に就職。偶然にも配属先が大貴の通う大学と同じ県だったため共に上京する形となった。 上京してからも2人はよく行動を共にしていた。授業をサボりがちになるきっかけとなった夜遊びも陵と一緒だったし、何をするにしても隣には陵がいた。 だが''あること''がきっかけで、ここ最近は2人で会うことが少なくなってしまっていた…。
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