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「全部買えば?」
「へっ!?」
「悩むくらいなら全部買えばいい」
「だ、ダメだよ!デザートはひとつまで決まってるから」
「クスッ、はいはい。相変わらず変なとこ真面目だな琴音は。俺の前なら我慢しなくていいのに。でも、そんなとこが可愛すぎるから特別に2個買ってやるよ」
「もう……」
相変わらず
私に激甘な時兄。
でも
選びきれないから
今日だけは時兄の優しさに甘えちゃお……
「あれ、白澤くん?」
「……誰?」
美味しそうな
デザートに目移りしながらも
買ってもらう2つのデザートを
選んでいると不意に声をかけて来た女性。
「……あら、妹さん?」
"妹"
それは
どう足掻いても決して
埋めることができない私たちの歳の差。
仕方ないことだとわかっていても
それでも"妹"と呼ばれるたびに胸がズキンと痛む。
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