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《私の恋人》
「なっ、なっ、なっ……!??」
なにがどうしてそうなるというような愛菜に客観的に見ていた美香は嬉しそうに手を叩いた。
「すご~い! 愛菜、王女になるんだ! すごいね!」
「い、いや、そんな急な話し受け入れないよ! 第一、私はルゥに……その……」
視線が重なったかと思えば逸らした。さらに顔が熱くなる基調を見せる。
ルゥが片目を閉じる。
「俺に惚れているだろう? なにせ、インコの姿では何度もキスしたからな」
「えーーーー!!! キスしたんだ! 積極的だな~」
「ちっちがっ! あれは、インコのルゥにしたの! 人間のルゥにしていない」
「俺もルゥだぞ?」
耳に手を添えられ真っ赤な頬に手を伸ばされて滑り落ちる。奇麗に整ったその白潤な手と金色の髪に魅入られる。
愛菜は肩で息をした。それから「条件がある」そう告げたのだ。
「まず家族に話すこと。次に学校を卒業してからその……王女になる。それなら、その……ラプラス国に行ってもいい」
「じゃあ彼氏からだな。楽しみだ」
ふわりと笑うルゥに愛菜は紅茶を飲み干した。ニヤついている親友に見送られながら愛菜はインコの王子の告白を受け入れ――めでたく恋人となったのだ。
~Fin~
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