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「や…やっと着いた…」
ジュリアンは、頂上に着いた事を確認するかのようにあたりを眺めると、その場に荷物を放り投げ、大の字に寝転んだ。
あたりは薄暗くなり始め、気持ちの良い風がそよいでいるというのに、ジュリアンは滝のような汗にまみれ、大きく肩で息をしていた。
『思ったより時間がかかったな。』
「く、くっそー…
涼しい顔しやがって…」
不意に現れたエレスを、ジュリアンは疎ましげに睨みつけた。
『確かに、暑いとは思わんがな。
それにしても、おまえが迷わなければ、もう少し早くに着いたのではないのか…?』
「迷ったわけじゃねぇ!
もう少し歩きやすい道がないかと探しただけだ。」
『……で、結局、そんな道はみつからなかった…と。
うろうろするだけ無駄だっな。』
ジュリアンの眉間に深い皺が刻まれ、言い返そうとする気持ちを飲みこむように、彼は水筒の水をぐびぐびと流しこんだ。
「あぁ、腹が減った。何か食うかな。
おっ、あそこにちょうど良い岩があるな。」
わざとエレスを無視するようにそう呟き、ジュリアンはゆっくりと立ちあがった。
やがて、目に付いた岩の所まで歩くと、袋からパンを取りだしかぶりついた。
「……もっとうまいもんが食べたいなぁ……」
ジュリアンはうらめしそうに乾燥したパンをじっとみつめる。
『缶詰があったのではないのか?』
「缶詰ねぇ……開けるのが面倒だ。
今夜はこれを食べたらもう寝る!」
『もう寝るのか?
子供でもまだ起きてる時間だぞ。』
「俺は朝からずっと山歩きして疲れてんの。」
そう言うと、ジュリアンは岩から降りて地面に腰を降ろし、無理やりパンを口の中に押しこんだ。
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