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真夏の太陽に照らされて。
私たち二人を乗せた青い車は、今日も海沿いの道路を走っていた。
お互い平日は仕事が忙しくて疲れ切った毎日だが、休日は違う。たとえ肉体的には疲労が残っていても、精神的には元気だ。
だから私たちは毎週末ドライブデートで、この海沿いの道路が恒例のコースとなっていた。
左側は山肌で、右側が海。
助手席の窓からでは景色が良くないけれど、むしろ私は、この配置が気に入っていた。
運転する彼の姿を眺めるのは好きだし、特にキラキラ輝く海面を背景にすると、いっそう彼が素敵に見えるからだ。
最初の頃は「視線がくすぐったい」とか「運転するのに気が散る」とか言っていた彼も、私に見つめられながらの運転に慣れたのか、全く嫌がらなくなった。
いや最初の頃も、別に嫌がってはおらず、単なる照れ隠しだったに違いない。言葉とは裏腹に、表情はニヤニヤしていたのだから。
そんなわけで。
私たち二人にとって、週末のドライブデートは、幸福な一時だったはずだが……。
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