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「おい!」  会計を済ませ、袋を両手で持ちながら無言で歩いて行く私を追いかけてくる律。 「琴里!」  アパートから程近い場所にある小さな公園近くに差し掛かったのとほぼ同時に律が私の腕を掴んで来た事で歩みを止めた。 「…………」  動きを止められてしまった私は無言で律を睨みつける。 「何だよ、何で怒るんだ?」  全く訳が分からないといった感じで理由を聞いてくる律。  きっと、律にとって私が怒ってる原因なんて、『どうでもいいくだらないこと』なんだと思う。  確かに、あんなことくらいで怒らなくても良かったのかもしれない。  大人はそんなの流せばいいのかもしれない。  でも、私は傷付いたのだ。ものすごく、傷ついたのだ。 「琴里……」 「……私、律の妹じゃ、ないよ? 彼女だよ?……ごめん、今日はもう、帰る」  それだけ答えると、スーパーの袋を律に押し付けた私はそのまま走り出した。  嘘でも、妹だなんて言って欲しくなかった。  彼女って言って欲しかった。  付き合えても律との距離はすごく遠い気がして、悲しかった。
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