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 翌日、教室に着くや否や新田が私の元へやって来る。 「琴里、昨日の男、一体誰なんだよ?」 「はあ? そんなの誰だっていいじゃん。ってか、新田には関係ないでしょ?」  相変わらず自分勝手な新田に苛立ちを感じた私は相手にせず席に着く。どこまでも粘着質で嫌になる。 「彼氏?」 「…………」 「見た感じ、だいぶ年上っぽかったけど、お前、遊ばれてんじゃねぇの?」  私が黙っているのをいい事に好き勝手言ってくる新田。  分かってる、こんな奴、相手にしなければいいって。  だけど、律の事を悪く言われたら黙っていられなくて、ついつい言い返してしまう。 「うるさいな! 新田には関係ないって言ってんじゃん! 律は彼氏だよ! 年上だよ! 私の方が好きなの! 遊ばれてなんかないから!」  怒りが頂点に達した私はそこが教室だという事も忘れて怒鳴り声をあげた。 「ちょっと、何事?」  すると、騒ぎを聞きつけた麻紀が駆け寄ってきた。 「いや、ちょっと……」 「もう、また新田が何か言ったの? 大丈夫? 琴里。新田の言う事なんて気にしない方がいいよ?」 「うん……ごめん、私ちょっと気分悪いから一限目サボる」  居ずらくなったのと一人になりたかった私は麻紀にそう告げると、予鈴が鳴るのも構わず教室を出た。  そして、行き場か無かった私は屋上へやって来てくると、手摺に寄りかかりながらぼんやり景色を眺めていた。
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