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「……ん……」  カーテンの隙間から射す陽の光で目を覚ました私は目を擦りながら身じろぎをすると、そこには気持ちよさそうに眠る律の姿があった。 (……そ、そうだった! 私……ついに律と……しちゃったんだ……)  昨夜の事を思い出すと、自然に頬は熱を帯びていく。 (……ど、どんな顔して律と話せばいいの?) 「とりあえず、シャワー……浴びて服……着る?」  この状況からどうすればいいのか分からない私は疑問形で呟きベッドから出ようとしたのだけど、 「……起きるのか?」 「!!」  眠っていたはずの律が目を覚まし、声を掛けてきた。 「う、うん! その……私……シャワー……浴びて来る!」  どうにも恥ずかしくて、私は律から顔を背けたままベッドを出ようとするも、 「一緒に入るか?」 「!?」  そう言いながら律が後ろから抱き締めてくる。 「え!? 一緒に!? そそそ、それは恥ずかしいからヤダ!!」  彼の問いに強く否定すると、 「何を今更。お前の裸は昨日充分見てんだから恥ずかしがる事ねぇだろ?」  なんて、デリカシーのない事を言ってくる。 「そういう問題じゃないの!! 律の馬鹿!!」  私は何とか律の腕から逃れ、一目散にバスルームまで駆けていった。 「さてと、これからどうする?」  身支度を整えた私に、煙草をふかしながら律が聞いてくる。 「どうするって? アパートに帰るんじゃないの?」 「今日は学校休みだろ? せっかく市外に来てるんだし、どっか行かなくていーのかよ?」  意外だった。律の口からそんな言葉が聞けるなんて。 「行く! デートしたい!!」 「分かったって。そう大声出すなよ。あれか、前から行きたがってた何とかっていうテーマパーク……」 「ワンダーランド! え? いいの? 律、ああいう人が多い所嫌いじゃん」 「たまにはな。よし、じゃあ出発するか」 「うん、やったぁ!」  こうして、行き先が決まった私たちはホテルを後にした。
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