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「……彼氏と一緒だから……」  まだ気分が悪いのと、面倒臭くて相手にしたくなかった私が素っ気ない態度でそう答えると、 「彼氏? え? ってかこんなところに彼女一人待たせるとか無くない?」 「そんな男放っておいて俺らと回ろうよ」 「そうそう、行こうよ」  三人のうちの一人が強引に私の腕を掴んで来る。 「ちょっと、やだ、離してよ」  嫌がると、残りの二人は私を囲むように立ちはだかり、 「そんな大声出さないでよ」 「そうそう、別に何かするわけじゃないんだしさぁ」 「ちょっと付き合ってくれればいいから」  私の態度に気分を害したのか、半ば無理矢理ベンチから立たされて男の人たちに連れて行かれそうになった、その時、 「おい、人の女をどーするつもりだよ、クソガキ共が」  飲み物片手に戻って来た律は、もの凄く怖い表情を浮かべて仁王立ちし、ドスの効いた声で男の人たちに向けて、そう言い放った。 「あ?」 「何だよ、もしかして、アンタがこの子の彼氏?」 「マジかよ」  三人はまるで律を馬鹿にするように言いながら依然として私の前に立ちはだかり、律の元へ行けないよう邪魔をしてくる。 「君もさ、こんな冴えねぇ男より俺らと一緒の方が絶対楽しいって」 「そうそう、話も合わないじゃん?」 「つーわけで、アンタはもう用ないってよ」  何も言ってないのに勝手に話を進められ、私の腕を掴んだまま、連れて行こうとすると、 「はあ……黙って聞いてれば、くだらねぇことばっかり言いやがって。コイツが誰と一緒に居るかなんてコイツの決める事だろ? テメェらが決める事じゃねぇんだよ」 「痛てぇ!」  無言で私の前まで歩いて来た律は、溜め息と共に私の腕を掴んでいた男の人の腕を捻りあげながらそう言った。
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