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長兵衛は地味な小袖と袴と言う
きちんとした商人スタイルを好む
服装に凝るほうではなく
たまに腰につける印籠に装飾を施すぐらいだ
印籠の家紋は橘文
ただし目立たぬように小さくあしらってある
いずれにしても公家系武士文のため気付いた人は長兵衛の本当の出所を察している
長兵衛は帳場の後ろに上りひざたちで番頭の後ろにずって来た
通り土間には階段を作ってないので少しよじ座敷に登る形でざしきに上がるのが普通になっている
帳場の横には階段があるのだがそこを使うと帳場の仕事の邪魔になるので長兵衛は使わない
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