地下10階へ

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 身体は地面へと急降下している。  やばいやばいやばい。  防御魔法で身体を守り、さらに受け身の体勢を取る。  重ねて、地面に向かって、 「エアクッション!」  と詠唱。地面に空気の層を出現させた。  これで少しでも衝撃が和らげばいいけど……。  激突に備えて目を閉じた。 「アヤメさん!」  タロウくんが叫ぶ。  ああごめんねタロウくん、こんな目に遭わせて。  せめて逃げて、上層階から助けを呼んで……。  身体は落下し、地面に激突した。  衝撃は、……思ったほど痛くない。  二重三重に対策したおかげでなんとかなったみたいだ。  そうだ、 「タロウくん!」  私は階段の方を確認した。  無事上の階に脱出しただろうか。  浅層にいる誰かに、早く、今の状況を……。  え、あれ、ちょっと待って。  タンクドラゴンは階段に首を突っ込んでいる。暴れながら、階段の奥を探っているようだ。  ま、まさか。  タロウ君を攻撃している? 「や、やめて!」  倒れてる場合じゃない。  私は急いで立ち上がった。  瞬間、ぐらりと目眩が起こる。  墜落の衝撃がまだ残っているみたいだ。  でも、そんなことに気を取られている場合じゃない!  私は気力を振り絞り、竜の巨躯へ近づいた。気づかれないように気配を消して、ゆっくりと。
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