地下10階へ

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 ツヤツヤとした緑の鱗。  限界まで近づきながら意識を集中させる。  焦らずに、けれど早く。  私は覚悟をして、竜の鱗に触れた。 「石化!!」  唱えた途端、触れた部分からバキバキと石化が始まる。  内臓までの完全なる石化は無理だが、表面を覆うこの鱗、および肌なら私でもイケる。  少し動きを止められれば……!  ギャオオオオオ!  自身の石化に気づいた竜がこちらを振り返る。  大きな尻尾で薙ぎ倒されそうになるけど、なんとか避けた。  竜はその長い首をこちらに向け、完全にロックオンしてきた。  私を攻撃しようとする。けれど下半身はもう石化魔法が覆っていた。  動かせない。  竜は怒り狂い、暴れ出す。  でももう遅い。  やがて石化魔法は竜の全身を覆い、鋭い爪も、眼光も、全ては石と化した。 「ああ、良かった……!」  タンクドラゴンの石像が一体、出来上がった。  中身は生きているから放置はできない。浅層である10階の広場にこんなものを置いていたら邪魔で仕方がない。  ……そうだ。 「タロウくん! 無事?!」  私は階段に向かって叫んだ。
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