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出会ったのは…
「やぁ。この石化、君がやったの?」
「うわ、ホントにあややめじゃん。なに子守みたいなことしてんの?」
10階にいたのは3人。
先に口を開いたのは無精髭を生やした軽いノリの男。続いて、その隣にいる今時の女の子って感じのスタイルのいい子が話しかけてきた。
一番左にいる、硬派っぽい少年はじっとこちらを見るだけだ。
タロウくんは、
「あれ、貴方たち、もしかして……」
と、うわずった声をあげる。
そう、3人が身につける装備は滅多に見ないレア装備。腰に下げている武器も格が違う。
極め付けは胸の徽章。
さりげなく輝く鈍色のそれは……。
「気づいていると思うけど、俺たち攻略組ね」
軽そうな男が、なんでもないといった口調で言う。
攻略組。
つまりダンジョン攻略者のグループ。
そう、押しも押されもせぬ、正真正銘のエリート集団だ。
「あー。なるべく急いで来たんだけど、もう石化されちゃってたか」
と、女の子。
わたしは思わず、
「あ、なんかマズかったですか?」
と聞いた。
もしかして攻略組の邪魔をしたかもしれない。
「マズいわけないじゃん! お手柄だよ。うちらだいぶ助かるし」
女の子はテンション高く返事し、私の方に顔を近づけた。
そして、
「ん〜? もしかしてうちらに対する遠回しなイヤミかな? もっと早く来いって?」
とイジワルっぽい口調で言う。
「ミヤコ」
今まで黙っていた少年が、短い言葉で制した。
「なによう、シオ。ジョーダンじゃんジョーダン」
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