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「お母さん!あたし、もっと歌う!お父さんへの手紙に歌も入れて!
そしたら、お父さん震えないよね?パニック、ならないよね?」
夕方になって帰宅した母へと叫んでしまった。
「光絵、お父さんのこと好きになれる?」
戸惑い気味に問う母の気持ちは、幼いあたしにはわからなかった。
「こんなにステキな手紙をくれてた人、そりゃあ好きだよ。
それにね、会って話したとき、柴犬みたいで可愛かったよ」
母は泣いた。
「お母さん、笑顔!お父さんのためにも笑顔!」
「嬉しくても泣くときはあるのよ」
そこまでは、やっぱり、よくわからなかった。
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