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明るい鏡の前にポーチを置いて、今日も女性社員たちが話していた。
それぞれは変化したとしても、彼女たちの関係は四年前の入社当時と変わらない。
そして、彼女たちは、まるで中高生のように楽しそうに話していた。
「やっぱりあれって感じ悪かったかな。休み終わったら、謝ろうかな」
「別によくない。気にしてないでしょ。イヤホンしてたし、聞こえてないんじゃない」
「そうかもしれないけど、あの態度とかから、なんか察せられるよ」
「さっきは、鈍感で分からない人だって言って癖になんで考え変えてるの」
「いや、なんか。謝った方が良い気がしてきたんだよね」
「え、何があったの」
「お昼行くときに。あの子が同じエレベーターに乗ってたんだけど。そこで、いつもみたいにあの子の話してたから」
「確かに、それは、まずくない。だって、あんたから聞くあの子の話ってほとんど愚痴だし」
「え、そうかな。別に良くない。よくある話じゃない」
「で、どんな話だったの」
「新人を気遣えない二年目ってどんな感じかって話。協調性がない人一緒だと疲れるって話」
「その程度なら、問題ないよ。だって事実だし」
「そうそう。気にする必要なんてないよ」
「まあ…でもどすしても気になるなら、謝れば。どうせ自己満にしかならないと思うけど」
「そうそう。そうすれば」
「ていうかさ。このコスメ可愛くない」
「似合うよ」
「今年度になって昇給したから、こないだデパートで買ったんだ」
「今度、私も買おうかな」
と話を変えて会話を楽しんでいた。
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