電車でおでかけ

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電車でおでかけ

夏のある日、仕事中会社に電話。 いよいよだ。 あまり気が進まないけど、あきの希望で出産に付き添った。 初めての事で大変ではあったが、初産としては軽い方だったと思う。 僕は終始他人事みたいで、あきはがっかりしたかも知れない。 優しくない。 どうしても、わからない事をわかったふりが出来ない。 それが最愛の人の為だとしても。 嘘をついて傷付く事から自分を守る方が大事。 冷血。 人でなし。 自分を責めてもそれは、なかなか変わらなかった。 母子共に順調。 あきの両親の助けも借りて長男は育っていった。 僕は真っ直ぐ家に帰れなくなっていて、仕事が早く終わるとスーパー銭湯に立ち寄ったりしていた。 お義父さんに合わせて飲むビールが苦痛で、いつも風呂でえづいた。 しかし、赤ちゃんの存在は僕に居場所を与えてくれた。 身勝手な愛情。 自分かわいさ。 この頃から、子供のおかげで生きていられた。 仕事帰りには毎日書店に立ち寄り知育玩具を買って来た。 泣き止まない時散歩に出ると、線路沿い、電車を見ると泣き止んだ。 新幹線とか、貨物列車とか、長い方が良かった。 それで長男は鉄道好きになった。
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