全教科赤点なんて俺は恥ずかしいぞ!

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全教科赤点なんて俺は恥ずかしいぞ!

 暑い。とにかく暑かった。どこをどう見ても男ばかりの教室は居眠りも出来ないぐらい暑かった。  夏休みまであと一週間か……そうすりゃ朝も早く起きなくて済むな。 「今日はここまでー。それと、期末テストが返って来てると思うが間違えた箇所は見直すようにー、あと、赤点だったやつは追試あるから特に見直せよー」  担任が帰りのホームルームでそんな事を言ってた。  確かにこの前やった期末テストが続々と返って来てるけど、追試とかなんだそれ?聞いてねぇぞ。ん?最後担任が俺を見たような? 「なぁ直登、赤点って何点?」 「うちの学校は30点だよー」 「まじで!?」 「え、貴哉まさか赤点あったの?」 「あるだろそりゃ!てか今んとこ全部そうだ!」 「逆に凄いよそれ!」  やべーじゃん!俺追試受けなきゃじゃん!  そうだ、早川はどうだったんだろ?あいつも頭良さそうじゃねぇしな。 「おーい、早川~」 「あ、貴哉♡」  鞄を持って早川のとこに行くと、担任と目が合った。うわ、何か嫌な予感…… 「秋山ー、この後職員室に来い」  予感的中!くそー、最近呼ばれねぇと思って油断したぜ! 「ちょっと行ってくるわ」 「行ってらっしゃい。少ししたら玄関で待ってるから」  早川に言って急足で職員室に向かう。絶対テストの事だろう。全部赤点だって言ったら直登が驚いてたしな。さっさと済ませて早川と帰ろう。  職員室に入ると、他の教師達が一斉に俺を見た。 「失礼しまーす」 「まったく秋山は!」  入るなり担任に呆れられたような態度を取られた。今日も長くなりそうだな。 「お前やる気あるのか?全教科赤点なんて俺は恥ずかしいぞ!」 「俺は恥ずかしくねぇよ」 「少しは恥ずかしがれ!」 「なぁ、赤点て俺だけじゃないんだろ?早川はどうだったんだよ?」 「早川ぁ?お前早川と仲良いのに知らないのか?」 「知らね」 「戸塚に続いて学年二位だよ!少しは見習え!」 「はぁ!?んな訳あるか!」 「んな訳あるんだよ!とにかくうちのクラスで赤点なんてお前だけだぞ」  担任に溜息を吐かれるけど、俺は早川がそんなに出来る奴だった事に驚いていた。  てかテスト前とか普通に俺と遊んでたよな?あいつが勉強してるのなんて見た事ないぞ。 「そもそもなぁ、お前がもう少し頑張ってくれりゃうちのクラスの平均点は……」  その後も担任の説教はグダグダと続いた。
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