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4 裏切り者たちの末路
そして私、ヴィクトーリアは故郷に戻ってきた。
既に母は亡いことは戦場に来た知らせで知っていた。
だから店に残っているのは、エリザベスとライトだけだ。
そして彼等がそういう関係になっていることも、彼の父親からの謝罪と、二人の結婚を許して欲しい、という手紙がやってきていた。
別に彼が好きという訳では無かったので、どうでもいいと思ってはいた。
その後に続く報告を読むまでは。
母はあくまで長女の私に気を遣っていたのだという。
だがどうしても、と二人ともみ争っているうちに、背中を酷くぶつけてしまい、歩けなくなってしまったらしい。
それからは衰弱が激しく、私が帰るのを待ちながら亡くなってしまったそうだ。
そうなると話は別だ。
*
私は二人に向かって、口角を上げて笑った。
寄り添う二人は身体をびくつかせる。
それでも彼はエリザベスを脇に抱え、何とか震え声で言ってくる。
「そ、そうだ…… お前が女だてらに従軍してからというもの、優しくしてくれたこのエリザベスこそが真の愛の相手だ! だからお前との婚約は破棄する!」
まあここまで言えたのは大したものだと思う。
だがそれはそれだ。
「そうですか。ところで私、実はこのたびの軍功により、国王陛下から二つの褒美をいただきました」
「褒美…… 何のことだ」
「一つはこの黄金勲章」
胸元から出すそれに、二人はは思わずぐっ、と上半身を乗り出した。
れっきとした純金だ。それは目が行くだろう。
「そして」
すっ、と私は腰の剣を抜き――
彼の首が飛んだ。
「誰か一人、私情で殺しても構わないという権利を」
妹の悲鳴が響き渡る。
私は別に剣が使えない訳ではない。弓よりは不得意というだけで。
「エリザベス、二人殺していいならあんたをも一緒に殺してやったけど、あいにく陛下からの許可が下りたのは一人なの。お母さんの世話をろくにせず早死にさせてしまったあんた等にかける情は無いからね」
あああああああ、と彼の首を抱いて叫び続ける妹を背に私は来た道を再び引き返して行く。
私は生き場所を見つけたのだから。
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