Love8: ずっとずっと、あなただけです

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Love8: ずっとずっと、あなただけです

 それから伏見は吹っ切れたように彼方の姿を監視しなくなった。 「おはようさん、彼方。今日も好きや」  朝の挨拶と共に紡がれる愛の言葉。彼方は驚きつつも「おはようございます」と返す。それに対して伏見は微笑む。それ以上のことはない。 「伏見さん先方からの荷物なんですが……」 「ああ、あれ重いから僕が行くわ」 「でも、伏見さんのお仕事に支障が」 「そない短い時間じゃ変わらんて。大丈夫や、任せとき」  ふわりと伏見は穏やかな笑みを浮かべる。今までなら「一緒に行こうや」とかなんとか言って彼方をつけまわしていたのに、今では見る影もない。 「ほい、今日もお疲れさん。これでも飲んで残りも気張りや」 「ありがとうございます!あの、お金を」 「かまへんよ。ただ僕があげたかっただけやねん。ほな、仕事戻るわ」  それだけ伝えて自分のデスクに戻る伏見。彼方と離れたくないといって、やたらとそばに寄ってくることも、ない。 「ああ、もうこないな時間や。早よ帰り。残りは僕がやっとくわ」 「それだと伏見さんも遅くなってしまいますよ」 「大丈夫や。こんなんちゃっちゃっと終わらせとくわ。暗なると危ないから、きみは先に帰り、な?あ、なんならタクシー呼ぼか?」 「いえ!そこまでは、まだ時間的に大丈夫です」 「さよか。ほんなら、また明日な」  押しかけてどこか行こうとも誘わず、ただ彼方を想う伏見は、しっかりと約束を守っていた。 「ああ、せや。彼方。今日も好きやで」 「っ……お疲れ様です。お先に失礼します」 「ん、気いつけてな」  伏見の変わりように彼方は動揺しつつも、この日常を受け入れていた。
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