第1話 もー ! もー ! もー !

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第1話 もー ! もー ! もー !

私達、ここら辺の野良猫には ある(うわさ)がある。 とある料理屋に行くと『ご飯 』が貰える  と、言っても皆で押し掛けるのは、この辺りのボス猫にゃん太郎に禁止されている。  だけど、子猫が生まれそうに成っていた私は優先して貰った。  にゃん太郎親分に連れられて料理屋に着くと、親分が声をかけた。 「ニャォ~ン ニャォ~ン ニャォ~ン !( おっちゃん、ご飯をちょうだいな !)」  そうすると、中から人間の男の人が出てきた。 「 なんだ、にゃん太郎………一緒に居るのは、彼女かぁ~  やるねぇ~ ………彼女の分も『ご飯 』が欲しいのか ?  ちょっと、待っていろな 」  そう言ってな中に引っ込んだけど……… 「 ニャァ ニャァ ニャァ !( 違うわ! 私の旦那は、もっと良い男よ。 誤解よ ! )」 「 ウニャァ~ !( ヒドイ、せっかく連れて来てやったのに !)」  人間の男………おっちゃんが『ご飯 』を持って出てきた。 「 なんだ なんだ、にゃん太郎 『 ラブラブ 』なのを、俺に見せつけているのか ?  しょうがない奴だなぁ~……ほら、『ご飯 』だぞ !  ちゃんと、彼女に優先させるんだぞ 」 「「 ニャォ~ン ! ((誤解だぁー ! ))」」  ◇◇◇  私達が『ご飯 』を食べている間に、おっちゃんが私の家を  縁側(えんがわ)の下に造ってくれた。(発泡スチロール製)  ご飯を食べ終えた私は、さっそく『その家』を(のぞ)いて見た。 『 家 』の中には、古いタオルが引いてあった。  うん、ここなら『 出産 』するのに問題ないわね。  私が一度『 家 』の中に入り、おっちゃんにお礼を言ったわ  礼儀は大事だもんね。 「 ニャォ~ン 。( 気に入ったわ、ありがとう …おっちゃん !)」 「 ……………牛柄(うしがら)だから、今日からお前は『 ウッシー 』だな ! 」 「 ニャ ニャ ニャ ニャォ~ン 、(そっ そっ そっ それって(ウッシー)私の名前なの ? 」 「 なんだぁ~ 。 そんなに嬉しいか『ウッシー ! 』  可愛い名前だろう 」 「ニャ ニャ ニャ ニャォ~ン ! ( もー ! もー ! もー ! なんて『センス』をしているのよぉー !)」 「 そうか そうか そんなに嬉しいか  名前をつけるのは得意なんだよ、俺 」 「ニャ ニャ ニャ ニャ ニャァ ( 良い名前じゃないか『 ウッシー 』、俺の『にゃん太郎』に負けないくらい良い名前だな。流石、おっちゃんだ)  にゃん太郎親分が、笑いながら言っている。 「 ウニャァ ニャァ ニャ ニャ !( (はか)ったなぁー !親分。こうなるの(わか)っていたんだろう ! 」  親分は笑いながら去っていった。  うぅぅ お世話になるからには『名前(ウッシー)』くらいは我慢するしかないか………ハァ~。  その後、私は 無事に 四匹の子猫を産んだのだった。  ………感謝はしているのよ、だけど……… 「 ほら『 ウッシー ! 』ご飯を いっぱい食べて赤ちゃんの面倒をみるんだぞ」 「ニャ ニャ ニャ ニャ ニャォ~ン ! (もー ! もー ! もー ! こんなにお世話に成っていたら文句言えないじゃないの ! )」  優しそうに見つめる、おっちゃんに私の言葉は通じなかった……………トホホホホホ。
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