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第4話 振り向けば奴がいる !
【 ガンモside 】
また、フラれてしまった !
おいらが、落ち込んで歩いていると
「 なんだ、ガンモ ! またフラれたのか。
これで何回目だよ、もう50回は越えたのか ? 」
茂手内さん家の『コロッケ』が、おいらを見て笑っていやがる。
「 まだ、35回目だよ ! そういうコロッケこそ、この前に大阪さん家の『アンとダイアナ』にフラれたのを知っているんだぞ !
おまえこそ、50回はフラれたんじゃないか ?」
「 五月蝿いなぁ~、 まだ俺は34回目だよ !
お前と一緒にするなよ ! 」
そう、このコロッケこそがオイラのライバルなんだ !
コイツにだけは、絶対に負けたく無い !
◇◇◇
それから、しばらく経った時にまたしても奴に会った。
オイラは知っている ! 奴がフラれた事を情報通の喫茶店の看板猫である『 弥七』から聞いたのだから間違いない !
情報料金代わりにオイラの『焼き鳥』は痛かったけど奴には負けられないから仕方がないんだよな。
「 やい やい やい オイラは知っているんだぜ !
お前が駄菓子屋の『キャンディ』と お茶屋さん家の『パティ』とダンス教室の『イライザ』にフラれた事をな !
これで 37回もフラれたんだから、オイラの勝ちだよな !」
そうしたら、奴が反撃してきやがった !
「 ガンモこそ、俺が知らないとでも思っているのか !
お前も、京都さん家の『バジル』と『タイム』にフラれた事を知っているんだぜ !
情報屋の『弥七』から聞いたんだから間違いは無いはずだよな ! 」
…………弥七の奴、コロッケにも情報を売っていたのか !
猫の風上にも置けない奴だよな !
オイラとコロッケが言い争いをしていた時に、にゃん太郎親分が現れた。
「 メンマから聞いて急いで来てみれば、何を不毛な争いをしているんだよ ! せっかくのデートだったのによぉ !」
そこにはリア充のにゃん太郎親分が花屋のカスミちゃん と たこ焼き屋のマユキちゃんをハベラせていた。
「 マユキちゃん、 こういうのって何て言うのかしら ? 」
「 カスミちゃん、『 ドングリの背比べ』と云う人間の諺があるわよ 」
親分の彼女達の言葉がキツいのは、デートの邪魔をしたからなのか ?
別に、オイラは嫌われてないよね !
悪いのはコロッケで、オイラは悪く無いよね。
「 おい おい お前達、 ガンモもコロッケも『 いい奴』なんだから許してやってくれよ。
デートなら、また一緒にするからさ 」
そんな男前な発言をする親分をカスミちゃん や マユキちゃん が毛繕いし始めた。
まっ 眩しい !
これが、モテる漢だと云うのか !
オイラもコロッケも暫し見惚れていたが、親分を見て思い出した !
そうだ ! おっちゃんの処に『 ウッシー』が居るじゃないか !
オイラが駆け出すと同じ事を考えたのか、コロッケまで追ってきた。
おっちゃんの勤めている店の縁側で昼寝をしている ウッシーを見つけたオイラはコロッケに先駆けてプロポーズをした。
「 オイラの彼女に成って頂戴な ! 少々くたびれているのは我慢するからさ」
「 俺の方が良い男だぜ ! オバサンでも我慢してやるから俺と付き合ってくれよ ! 」
オイラ達のプロポーズを聞いた ウッシーが突然 怒りだした !
「 もー ! もー ! もー ! アンタ達なんて、こっちからお断りよ ! 本当にデリカシーが無いんだから、アンタ達は一生モテないわよーー ! 」
あまりの剣幕にオイラ達はにげだした。
奴だけには負けない !
そう、オイラは誓ったのだ。
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