第7話

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それからの定例会は、明美にポチ、袴田と佐倉を加え、より賑やかなものになった。 というより、カオスだった。 「はい、あっくん、塩辛でちゅよー」 「あけたーん、あーん」 「もぐもぐちたら、ジンジャーエールチュウチュウちまちょうねー」 前田慶次は、己の腕ではなく、明美の膝枕。 酔ってもいないのにそのままウトウト、ぐーすかいびきをかくことまであった。 ふたりがポッキーゲーム的な事を、塩辛でしていた事さえある。 まあ、そんなのは人畜無害で、ほっときゃ良いのだが、いちばんみんなを閉口させたのは、 「Eね!」とか、「Eじゃん、それ」とか、単に「うん、E」とか、とにかく「Eカップ礼賛」を押し付けて来た事だ。 それに、弥生とポチが反撃する。 「やっぱ、EカップがちょうどEじゃん!」 「HカップのがHだもんねー!」 くだらない。 なんだこれ? ただ、瑠璃子はふたりでいちゃつけるのが嬉しそうで、明美を歓迎した。 僕は課長の赤ちゃん言葉が少なからずショックだった(バーブー、ハーイ、あっくんでーちゅ、とまで言った。シラフで)けれど、幸せなんだな、この二人なら大丈夫かな?とも安心して、瑠璃子とテーブルの下で手を繋いだ。 しかし、前の奥さんとも最初はこんな感じだったであろうと容易に想像出来て、やっぱり心配だ。  漢はどこまでも真っ直ぐだ。 でも、奥さんは、赤ちゃんふたりの面倒みれない。 明美さんはすぐにでも子作りしたくて、働かず、ていうか絶賛子作り中であろう。 今にもおっ始めそうだ。 漢ならではのスピード感が(戦闘時は遅いのに)少し心配だ。 もう一組、周りが見えていないカップルがいた。 袴田と佐倉だ。 未だお互いを、名字で呼びあっていた。
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