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夏。
くそ暑い夏。
外回りに付いて来たトテ子。
良い木陰を、みつけた。
「西山くんの、ん、たいちくんの」
語尾にはあとマークがついた様な。
チークか?頬が、紅い。
いや、耳まで真っ赤だ。
ん?
女神が、照れて、弁当をくれた。
天にも昇るとは、こいつか。
美味しい。
自分のぶんと、寸分違わぬ構成、少し量を増やしてある。
生姜焼き。
鰯の煮付け。
卵焼き。
赤いタコさんウインナー。
口づけ、抱き寄せたい。
君しか、僕には、ずっと居ない。
記憶が曖昧だけど、概ねトテ子はこう言った、んだと、思う。
たいちくん、ずっとすき。
付き合ってください。
わたしの悪い噂は知ってるよね。
あれは、たいちくんの為なの。
上手に、なりたかったんだ。
で、上手になったから。
プロポーズです。
たいちくんだけしか、ほんとはイヤ。
なんでかって、たいちくん、やさしいから。
わたしを、ずっと好きでいてくれたから。
わたしが足りないでしょ?
満たしてあげたいの。
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