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第2話
まさか、好きな女と戦う事になるとは。
上司の丹羽さん。
トテ子が僕に送る熱視線に、気づいていた。
真冬の寒い朝、丹羽課長に言われて玄関先に水を撒いて清掃したところ、顧客が足を滑らせ転倒、骨折した。
それで僕は課長に呼び出され、「君に判断を任せたんだ。今後、あんな不適切な判断はしないように。今回は私がどうにか話を付けるから、君は同席して、私の言う事に頷いていればいい」
解せないながらも、仕方ないか、と帰宅する時、ドン!と鈍い音。
丹羽課長が、3階建ての社屋の屋上から飛び降りた。
即死。
微かに、トテテテ
あの音を、たしかに聴いた。
丹羽課長は、もちろんトテ子とねんごろだった。
むしろ、ぞっこんだった。
奥さんとは、冷えきって、もう5年セックスレスだったそうだ。
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