第2話

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また、日常。 丹羽さん、色々後ろ暗い事があったらしい。 悲しい事に、その後あまり話題にすらならなかった。 あのバトルの緊張感、そして、快感の余韻に浸るまでもなく、僕とトテ子は今まで通りだった。 そんな時、しのさんという女の先輩から声を掛けられた。 西山くん、今夜空いてる? そんな、軽い誘いだった。 飲みに行った。 彼女の失恋について、話を聞いた。 西山、ん、たいち、かわいい 抱いた。 あの、トテテテと、突き刺さる視線に耐えながら。 泥酔したしのさん。 送って行く途中の踏切。 身を踊らせる。 人身、人身 騒然とする、緊急停止した車両の窓に、トテ子のあの薄笑いが見えた気がした。
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