連休

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 へ?ゴールデンウィーク?部屋で、彼は裸でそんなことを言っていた。 「あああ。アカデミーも明日から1週間連休かあ。あれ、確か魔王の奴が定めたんだったね?ていうか、年度の切り替えが、4月からなのは何で?って聞いたら、「知るか!」って言われたなあ。お盆なんかもあったが、ありゃあ全く省みられなかったし」  いつもながら、魔王に凄く詳しいのね?  あんまり詳しいから、ちょっと嫉妬しちゃった。 「でもなあ。連休中って、どこ行っても高いだろう?家でゴロゴロニャンニャンした方が」  あん♡おっぱい触んないで♡  そう言うの解ってたのよね?校長。 「旅費は、校長先生が出すって言ってたけど」 「――え?!」  君の目が、ループ金貨に変わってるわよ? 「ようし!じゃあどこかに行こう!夢が広がるな!フタエ火山で遺跡発掘とか、伝説都市アガルタで砂金掘ったり!ああ!西の大陸の遺跡とかって興味ある?物凄くデカい穴があって、あれは、俺が見たところ森神シルヴァヌスの」  全部嫌よ?虫も砂も御免よ?    まあそのあと、2回戦前に地図を広げて、どこに旅行行くのか話し合うことになった。  こういう時、女ってのは、自分が認めない限り、全てを否定してかかるんだよなあ。  貴方の好きに決めて♡とか言って、正解出すまで終わらない。  こういうテスト、嫌だなあ。  あんまり、世界地理って詳しくないしなあ。  ああ、これなんかどうだろう?  重みで潰れちゃったおっぱいを気にせず、うつ伏せになった彼女に提案した。 「あー。前に、俺が移送されてった陸路のライン覚えてる?教団が、ホーリーラインって呼んでる。もっとずっと北、エルドアンのすぐ近くに行けば、ヴィクトリアフォールって大きな滝がある。ほら、あの時の、30キロル北に」  あの時の、あの場所の先ね?初体験の森の。 「まあ、そこまでは流石に行けないし、飛行艇の空路からも離れてる。巡礼を、飛行艇でやるなんて馬鹿馬鹿しいってのが、教団のスタンスだし。それで、これなんかどうかな?セント・トーマスの巡礼見物デート」  うん♡ご褒美みたいなキスをされて、彼女は雑誌を広げた。  うん?カラーページなのかあ。へえ、うえ?!セント・トーマスで婚前デート?!ランタンに、2人の愛を乗せて飛ばそう?!  ――って、この雑誌。 「これ?校長先生が――ね?」  うへあ。表紙に、ゼクシィって書いてあるよ。  最新の、婚前、新婚旅行アンケートトップ10?  いや、別にいいんだよ?ただ、こんな雑誌で結婚匂わされるのって。  これ、校長先生が、王都の出版社に口出して売っていた雑誌なんだけど。  何か、露骨にプレッシャー感じてない?  ところで、私の裸に、まあ♡ワンちゃんが♡ 「め♡面倒くさい女で♡ごめんにゃさい♡んにゃあああああああああああああ♡」  いや、悪気ないのは解ってるけどね。まあいいやニャンニャン♡フラニャンニャン♡  降りきった子宮口をツンツンしながら、楽しい旅行の期待に、胸とワンちゃんがプクって膨れていた。
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