必中

1/1
前へ
/51ページ
次へ

必中

 そして、私達は、無事アカデミーに帰ってきたのでした。 「おう。お前等、連休はどうだった?」  多分、4日か5日は寝ていないでろう、私のだ大好きなカッコいい彼氏が、飛行挺舎の待ち合いロビーに集まった、私服の生徒達に言った。 「はえ?まあ、どうということのない、ただの連休でしたんのよ?」  王宮帰り?って体の、アリエール・リトバールが、物凄いゴージャスなドレスを引き摺って応えた。 「お母様に、オペレッタ鑑賞に振り回されましたの」 「オババと、ランおじさんの3人で、温泉旅行に行ってきた」  ポヤっとした、エメルダ・パストーリがそう応えた。  そのあと、新聞では、西の大陸の首長が、温泉ツアーを堪能したと書かれていた。 「王宮の、タダニャン開発に傾注していました」  ビシッと挨拶した、けったいな生徒(イゾルテ・フレイア)が応えた。  ああ、うちにもいるのね?こういう生徒が。 「で、あれか。マリルカはまだ帰ってこないのか。あれ?そういえば、ユノは?」 「みんなお帰り!ふえ?ユノ?ああ、何か、月曜日に、どこかに走っていっちゃいました」  お迎えしてくれた、ルルコット・タルボットはそう言った。 「走って?縮地で?どこに行ったんだ?あいつ」  彼は、探しに行こうか。とか考えていそうだった。  私にとっても、ゴールデンウィーク丸々旅行していた訳だったし、最後、酷いことになったので、自室に戻って一息吐きたかった。 「ああ、貴様か」  廊下の一角に、妙なスペースが、勝手に出来上がっていた。 「――魔王?」  そう。伝説の魔王が、椅子に座って、こっちを見ていた。 「連休中に、まあ、学校生徒共相手に、商売をしようと考えたのだがな?連休が終わらんと、殆ど認知されんということに、さっき気付いたのだが。しかも、帰ってきた生徒に、声をかけたのだがな?不審がられて、全く相手にされん。つまり、貴様が最初の客だ」  キオスク魔王屋って看板が。  まさか、この人、連休中、ずっとここに座っていたの?  よく解らない、物品がずらっと並んでいる。  殆ど全てが、見たこともない物品だったようで、小さく、商品の説明書きがされている。  その中に、とても気になるものがあった。 「検査――薬?」 「ん?ああ、それはほぼ、勇者専用のものだ。トイレで使え。陽性であれば、印が出るぞ?ただな、あまり焦って使うな。確定するまで、1週間ほどかかる」  殆ど無意識に、財布に手が伸びていった。  フランチェスカー♡  背後から抱きすくめられて、あん♡おっぱいに、手が伸びてる♡ 「今日最終日だろ?明日から学校始まるし♡ねえ♡ババアの部屋に行ったら、いなかったんだ♡それで、校長室デート、してみない♡?」 「んもう♡空き教室以外の、廊下とかじゃ、嫌よ♡入り口のロビーで、生徒がたくさんいる中で、いっぱいされちゃったし♡」  アリエールの声に紛れて、ビューッとされたこともあった。 「あああ。認識阻害魔法の、ちょっとした実証実験が、行きすぎただけだって♡ババアのいない校長室で、ドロドロになろうよ♡」  あ♡ああん♡おっぱい、凄い敏感になってる♡  うなじの匂いを嗅がれちゃってて♡  あー、この発情臭♡堪らんなあ♡  お尻を鷲掴みにされながら、校長室の中に入っていった。    あー♡もう、何て可愛いんだ?俺のおっぱいちゃんは♡ババアはいないし♡最高♡  入って1分もしない内に、立ったままのフランチェスカを、ジュブジュブってやった。  いや、俺だけが気持ちいいエッチじゃ、駄目なんだよ?彼女が喜ぶことしよう♡  うお♡子宮が降りてきちゃって、俺のワンちゃんの先っぽキスしてる♡  我慢出来なくなっていた。  気が付いたら、お腹の中いっぱいにされちゃってて♡ 「ん♡ねえ、魔王が、お店開いたの、知ってる?」 「ああ、あいつ、何か連休中にしてたなあ?」  「うん♡いいもの♡買っちゃった♡」 「え?何を?」 「秘密♡ねえ、それより――」  校長先生の、机の上で、私は、足を開いて、 「続きは、ベッドで♡して♡」  じゃあ、フカフカのソファーでしようっか♡ 「うん♡「じゃー」しちゃったところは、俺が、あとで片付けるよ♡ 」  その日は、過去最大の回数、彼女としちゃっていた。  女の子と付き合う場合、じゃーという現象は、絶対について回る訳だが、たまに、その先には、じょーっていう現象も起きる場合がある訳で。  じゃーも、じょーも、嫌いじゃないんだよなあ。じゃーはオシッコじゃないし。じょーは、まあ。  でもさあ、凄くいい匂いするんだよなあ。最高に気持ちい時に出ちゃったじょーは。  そんなこと考えながら、ババアの部屋の床を拭いていると、 「換気くらいしなさいな。匂いでバレバレよ?」 「いきなり帰ってきて何だああああああああああああああああ?!ババアああああああああああああああああああああああああ!!」  現れたババアは、手に、オシッコ臭を漂わせていた。 「貴方が旅行に行った途端、滅亡した街を見に行ってきたのよ」 「って、俺が何かしたみたいに言うなよ。あんなの、巫女の玉砕攻撃だった訳だし」 「ふうん?それで、聖女には、会えたの?」 「俺が会ったのは、二重人格めいた、チミっ子だけだったけどな」 「あらそう?次の論文、期待してるわね?」 「論文?教員生活で、そんな余裕ないんですがね?」 「余裕がないですって?それは、もしかして、これ?」  何?そのオシッコ付いた棒みたいなの。 「ねえジョナサン?妊娠検査薬ってね?この、先端に、オシッコをかけて、2分くらい待つのよ?ほら、パパさん?」 「あからさまな不正してんじゃねえよババアあああああああ!パパって書いてあんぞ!それ!うばああああああああああああ!俺を襲う気かあああああああ!ババアああああああああああああ!」  ババアに襲われた俺は、魔王の店とやらに逃げていった。  体が、妙にダルかった。風邪かしら?旅疲れ?  ふう。彼のベッドに身を横たえた。  流石に、校長室で、7回もビューってされるとは、思わなかったわ。  本当にダルい。熱っぽいし。  まさか――本当に?  思わず、買った検査薬に、手を伸ばしていた。  多分、今、私、ジョナサンの赤ちゃん、孕んじゃったみたい。  でも、まだ薬には。  魔王は、1週間経たなきゃ、解らないって。  ああ、でも、凄く嬉しい。  赤ちゃん出来たら――ね?パパ♡?  おう。貴様か。何があったのだ?  放っとけえええええええええ!ボケえええええええええええ!  ニッシシ。まあ、あのおっぱい、犬にラブビーム出してたの、解ってたのでぃいっす!  エウリアデは、頭の悪そうな物言いをしていた。 「だからまあ、今ごろ、ボテおっぱい化しているはずなのでぃいす!」  これで、また私に愛を誓うカップルが。とか、愛神は思っていた。 「確かに、あの娘はそうであったのだろう。おぼこでなかったので、興味は全くないが。されど、あの男は、必ずロリコンになるであろう。おぼこ食いの、ロリコン共め!こんがりと、焼きたいのだ」  この、気色の悪いロリコンは。エウリアデの中にいた女は、そう思った。    今日は、貴様にぴったりなものを、下賜してくれようと思ってな?  何のこっちゃだ。お前は。  俺は、魔王と、昔、自主練していたスポットにいた。 「先日、エリゴールとか言う、滝谷三男博士を滅ぼしたであろう?それで、接収した、連中の武器だ。銃という器物だ。歴史含めて、説明してやろう」  この馬鹿の自慢げな講釈を、2時間聞かされた。  では、どれを使う?  目の前の机の上に、ずらっと、銃器が並んでいた。  おえ。流石に、早すぎない?  トイレから出てきたフランチェスカは、いよいよ、自身の予感が正しいことを理解していた。  こんな、急につわり?何か、妙なこと、起きてない?  よく解らないけど、今度会ったら、絶対、ぬたあんんってしてやる。う。  慌てて、トイレにUターンしていった。  何故だ? 「アサルトライフルの制圧力は、散々説明しただろうが」 「まあ、すぐ弾切れになるだろう?だったら、これが一番いいと思ってな?早速、撃っていい?」  何をしたの?ジョナサン。私は、彼に凄くムカついていた。  ――え?この本、誰が?  アラオダー・ファーストエビル著、「初産あれやこれや」?  とりあえず、読んでみたのだが、  受精から着床まで、10分?それで、もうつわり?  何だろう、途中経過、すっ飛ばしていない?  ああでも、早速使っちゃった。印出てる。  だから、早すぎない?  凄く、妙な現象が起きているのを、知る者は誰もいなかった。  いつ告げよう?彼に。  私は、ちょっと困っていた。  ううむ。信じられん。この未開人は。 「――百発百中、ではないか」  下賜してやった、9ミリは全て的の中心を、正確に貫いていた。 「――な?必中、だろ?」  しばらく経って、色々あった俺は、色んな娘っ子相手に、その性能を発揮するようになるかも知れなかった。 了
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加