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 俺達の、婚前デート旅行の噂は瞬く間に広がり、アカデミーの入口は、何というか、頭どピンクになった生徒達がびっしり集合していた。  アリエールあいつ。また何か書いたな。  でもまあ、お前が元気でよかったよ。  跨がった馬の首を、一撫でしていた。  貸馬屋に行ったら、俺のこと覚えてたもんな。  今回は、誰も暗殺しないから安心してくれ。  耳元で囁いたら、嬉しそうに耳をピコピコさせていた。 「先生。行ってらっしゃい」 「おおありがとな?ルルコット。お前はカスカーベに帰らないのか?」  カスカーベ。王都から南に抜けたところにある、まあ閑静な街だったが。 「ええ。今回の連休は、ちょっと」  それにしても凄い人だかりだよ。俺のとこにどピンクな眼差し向ける山と、別の山があった。  キャー!キャー!素敵ー!とか言われてるよ。  イゾルテ・フレイアが。 「ルバリエ先生、そのドレスふおおおう。です」 「ありがとう。ユノ」  我等が恐怖のひまわり、イシノモリ・ユノが、目をキラキラさせていた。  フランチェスカ、娘風のドレス姿だもんね。 「ハラクラーレの痴態も記憶に新しいのに、またしますのね?このインチキ教員は」 「やかましいアリエール!何がハラクラーレだお前は。で、帰らんのか?」 「明日帰りますわ。飛行艇で。はえ?そういえば、マリルカがおりませんわね?」 「あ、マリルカは、お家の都合で昨日の夜、帰りました。校長先生の許可があるそうで」  うん?マリルカ休学?何で?  あいつの家、王都ホーバレーだったな。 確か、退官した貴族とかが余生をのんびり過ごすってところで。 「旅行終わったら、会いに行くか。家庭訪問まだ途中だし、な」 「エメルダは、実家の人とお風呂に行くそうですが。おばあちゃんと温泉巡りしてくる、とか言ってました。ちょっと羨ましいです」  エメルダかあ。あんまり関わりないけど、西の大陸に住んでるんだよな。 「よし。みんな見送りありがとな?ところでユノ、帰ったら、ランキング戦について、色々言いたいことがある」  そう告げて、馬はパカパカと遠ざかっていき、 「散れ!アカデミーの外までついてくる気かお前等は?!」  やかましい声が響いていた。 「行きましたのね?飛行艇すら飛んでいないルートを通って。(わたくし)嫌ですの。あんな旅行先は。セント・トーマスって言うのだそうですわよ?ユノ、知っていて?」 「さあ」 「セント・トーマスは、神聖教団の重要な資金源よ。今じゃ観光資源くらいしかないけれど、昔は違ったのよ?まあ、火山地域であはあるけれど」  突然現れて、意味深なことを言った巨乳眼鏡の、たわわすぎるバストを見上げたアリエールの姿があった。 「はえ?校長、お見送りですの?」 「まあね?じゃあ、初年生集合!今から特別授業するわよ?」 「ですが、連休初日ですのよ?」 「お休みだからよ。望まぬ妊娠、とかしたくないでしょう?アリエールは出て。ユノとルルコットは、来年以降かしら」  アリエール・リトバールは、妙に嫌な予感がしていた。
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