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関わり
昼食。
私と瑠花は学生食堂でうどんを頼んで。あまりに混むものだから、黒助くんと煌河くんはトレイにカツカレーを持って彷徨っていた。
「ん」
と気だるそうに黒色のソレは私たちのテーブルを指差して。煌河くんが申し訳なさそうに頭を下げる。
「悪い、一緒に使わせてもらうね。野郎が混じってしまって申し訳ない」
「本当よ! 私と絵馬のいい感じな時間を邪魔して」
「瑠花、一緒に食べよ。私はいいよ?」
「ふーん。絵馬様から許可が出た」
私の目の前に黒助くんが来た。
「絵馬? どうしたの、ぼうっとして」
「してない」
「もしかして?」
瑠花の目がキラキラする。
一体何を言ってくるのか怖くなった。
「男の子がいると緊張しちゃう?」
「俺も緊張してるけどな。で黒助、お前が言え」
「ん。僕が言う、ノート見たい。寝てしまった。絵馬? だよね」
黒助くんの眠そうな瞳が開く。
きりっとした二重が一瞬私を見る。すぐに目をしょぼしょぼと今にでも寝そうになって。
「え、絵馬です。その通りです。もちろん!」
と私はつい席を立って。
瑠花はにやにやと私を見る。
「ふふーん。そゆこと?」
いたずらな視線で言う。
……私が黒助くんを好きなのがばれた、直感で分かる。
「黒助のやつ、俺のノートじゃ字が汚くて嫌だってな。酷いよな」
「そうだから」
「このわがままめ。絵馬さん、申し訳ない」
「はい。見せます」
「僕は瑠花との話を聞いてた。だからお願いしたい」
瑠花は相変わらずにやにやと。
「見せます」
答えると、黒助くんは興味をなくしたように視線を落としてカツカレーを食べ始めた。
「瑠花、クマできてる」
黒助くんが言うと、
「何よ、デリカシーない!」
瑠花は調子よく答えるものだから。
私は羨ましいと思った。
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