夏休み

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夏休み

 祭りの講義での発表は無事に終わって。それからも私は瑠花、黒助くん、煌河くんで一緒にいることが増えた。  講義や小テスト、提出物のスケジュールは私と煌河くんが管理して。講義中に眠ったり遅刻したりする瑠花と黒助くんには、私がノートを見せることが多かった。  煌河くんはしっかりしているが字が汚く私の方が整っていて見やすいとは、黒助くんの言葉である。  塾バイトをしているのも見やすいノート作りに繋がっているかもしれない。  期末テストは大学に集まって四人で必死に勉強した。高校のときと異なって成績が夏休み中に分かるというのは、不思議というか、緊張を抱えたままの夏休みをどうすればいいのか?  その時期に関しては塾での集中講義の手伝いバイトを入れてバイトの鬼となった。瑠花は相変わらずバイトをしていて、何度か単発バイトを一緒にやった。 「絵馬、今日は映画見たりして遊ぼう!」 「うん。二人きりじゃない?」 「今の儚くてかわいい声なに? もう一回言って」 「目が血走ってて怖いよ」  瑠花が出掛けようと言うものだから楽しみにして来てみると瑠花だけではなく。黒助くんも、煌河くんもいる。  となれば綺麗な格好した方が良かった。瑠花はバイト代が入って新しく服を買ったらしいが、普段の液体なんじゃないか? と思うほど溶けてしまいそうなだらだらした印象と異なり、清楚で綺麗でスタイルの良いお姉さんな仕上がりになっている。 「アクション映画好きでしょ?」 「嫌いではないけど」 「事前に黒助にも煌河にも許可をもらってます。行きましょう?」  どう? と瑠花は自慢げな表情だ。黒助くんを呼んだことを褒めてほしいのだろう。  映画は私以外で決めたのか。サプライズのつもりだろうけどモヤモヤしてしまう。  けど、夏休みだ。  気にせずにはしゃごう。駅近くのショッピングモールに着く。  そのとき、瑠花はスマホを見て震えだした。 「ねえ、私。私フル単だよ、結婚しよう絵馬」  大学からのメールが届いていたらしい。ホームページから自分のアカウントを入力すると成績が見えた。  みんなフル単!  とはならず。  黒助くんだけが一つ科目を落としていて。前身真っ黒なソレはさらに黒いオーラを出しているのだった。
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